よく歯科医院のサイトでは、インプラント成功率○○%など書いているのを見かけますが、インプラントの成功・失敗の基準が何かというのをご存知でしょうか?
実は、国際的な会議においてインプラントの成功基準は次のように決められています。
- ・インプラントは、患者と歯科医師の両者が満足する
機能的・審美的な上部構造をよく支持している- ・インプラントに起因する痛み、不快感、知覚の変化、感染の兆候などがない
- ・臨床的に検査するとき、個々の連結されていないインプラントは動揺しない
- ・機能開始1年以降の経年的な1年ごとの垂直的骨吸収は平均0.2mm以下である
- (1998年トロント会議)
つまり、患者さんも満足される機能性や審美性で、痛みや不快感などもなく、動揺もせずに骨吸収も微細であること、と言えます。
さて、このような基準の元、実際にインプラントはどれくらいの成功率を収めているのでしょうか?
単独欠損(1本だけ歯がない状態)
- (成功率)上顎98.7% 下顎98.2%
- 『インプラント植立本数781本中、失敗19本(上顎608本中12本失敗、下顎173本中7本失敗)』
- 文献:Espsito,et.al(1998年)
局部欠損(複数の歯がない状態)
- (成功率)上顎98.0% 下顎98.1%
- 『インプラント植立本数4393本中、失敗177本(上顎1990本中89本失敗、下顎2403本中88本失敗)』
- 文献:Espsito,et.al(1998年)
全部欠損(全く歯がない状態)
- (成功率)上顎93.8% 下顎98.7%
- 『 インプラント植立本数6609本中、失敗384本(上顎2722本中270本失敗、下顎3887本中114本失敗) 』
- 文献:Espsito,et.al(1998年)
成功率を見られて皆様はどのようにお感じになるでしょうか?
意外と高いと思われる方も多いかと思います。
初めてインプラント手術をされる前は、まるで大手術の前かのような緊張があると聞きますが、
実際手術が終わると、「えっ!もう終わりました?!」という感想もよくあります。
しかし、油断は禁物です。
100人中99人が成功しても、あなたの番で失敗したら、成功率という数字は全く意味がありません。
そうならないためにも、歯科医師側はより100%の成功率に近づける研鑽が求められますし、
患者側としてもより長くインプラントを保つために、お口の環境を今まで以上に清潔にしていく必要があるのです。
また、患者側が安全なインプラントを行ってくれる歯科医院を探すことも必要です。
当サイトのインプラントの5つの注意点をご参考ください。